こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。本記事ではソーシャルセクターに関連して気になったニュースについて紹介し、解説を行います。
Forbes詩が注目する社会貢献アプリ
先日のアースデー支援のキャンペーンとしてAppleがitunes storeで特集していたアプリ特集※に関連してForbesで面白い記事が出ていました。
※…アプリ内での課金による収益金がWWFに寄付され環境保護活動に使われる、というキャンペーン。Apps for Earthと銘打たれたキャンペーンで、すでに終了しています。
社会貢献や寄付といったワードは日本でもトレンドになりつつあります。趣向を凝らしたCSR活動や関連したサービスが増えてきています。
企業における社会貢献活動のトレンド
数年前には企業の社会貢献活動というと右を見ても左を見てもコーズ・リレーテッド・マーケティング(寄付付き商品など)が選ばれている時代もありましたが、ここ最近は目にする機会が減りましたね。
コーズマーケの数が減った事自体は悪いことでもないし、コーズマーケ自体が悪いわけでもありません。企業それぞれに自分たちの事業、もっといえばビジョン・ミッションに合わせた活動を選んでいけば良いということ。CSVといった文脈でも言われることですね。
そうした流れで今回注目するのはアプリ。アプリの中での社会貢献的なコンテンツや社会貢献のためのアプリケーションといった動きが活発化しています。
webマーケにおいてモバイルファーストというのはもはや常識ですが、社会貢献に関連したブランドメッセージを発信していく場合にも当然スマートフォンを意識しなければ意味がないわけですね。企業の社会貢献アプリというのはまだまだ日本では少ないですが、アメリカではかなり試行錯誤が進んでいるようです。
ブランドと社会課題解決を両立させる3つの要素
記事の中では、ジョンソン・アンド・ジョンソンのDonate a Photoなどいくつかの事例を元にしっかり企業ブランドと社会貢献をつなげていくための3つの要素が考察されています。その3つの要素とは、
- コミュニティ
- 信頼性
- エンゲージメント
この3つの要素。
重要なのはどの要素が欠けても成り立たない、ということだと思います。信ぴょう性がない社会貢献の場にコミュニティはできませんし、コミュニティへの適切なコミュニケーションがエンゲージメントにつながり、それを継続することで信頼性はましていく、といった形ですね。
NPOの側としても、こうした視点は意識しておかなければなりません。単純に企業と連携したいといっても始まりませんので、何を提供できることが企業にとって価値となるのかを考えないといけないですね。
特に信頼性という部分についてはNPO側からの日々の情報発信や活動成果のレポーティングが非常に重要になります。そのアプリの中でユーザが行う行動は、寄付かもしれないですし、写真を撮ることかもしれません。ゴミをひろうことや食事をすること、もしかしたら何かをクリックをすることや動画を見るといったアクションかもしれません。
どういったアクションが社会貢献につながると表現されるかは分かりませんが、大事なのはそれがどう成果につながっているのかが表現されていることです。寄付金額換算で表現されていることも多いですし、分かりやすさという点では強みがありますが、「どう使われ、その結果社会課題の解決にどうつながったのか」という点まで見えると参加者(支援者)はよりモチベートされ、コミュニティの活性化にも繋がるのではないかと思います。
海外の先進事例から学んだ面白いアプリ事例が日本でも出てくることに期待したいです。
記事の中で取り上げられているアプリ
1、Donate a Photo(ジョンソン・アンド・ジョンソン)
写真をシェアすることでNPOに寄付できるアプリ。支援プログラムごとにシェアされたさまざまな写真を見ることができます。
(追記:同アプリは残念ながら2020年12月31日でクローズしたようです)
2、Charity Miles(Charity Miles)
ランニングや自転車などのアクティビティを寄付にすることができます。
3、Make Safe Happen(Nationwide)
子どもを家の中での不慮の事故から守るためのtipsと商品が紹介されています。UIがとても良いです。