堤大介のブログ│朝ぼらけタイガー

NPOなど公益組織支援を行うコンサルタントのブログです。ファンドレイジング、NPOマーケティングなどのテーマについて解説しています。

寄付のポートフォリオを組む

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寄付をポートフォリオを組む

あけましておめでとうございます。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。

 

今年は少しブログ更新を増やそうかと思っています。
昨年は目標をインプット量(読書量)に置いていたのですが、なかなか自分の中で整理する時間が取れなくなってしまっていたので、今年はインプットしたことを咀嚼することを意識したいと考えています。で、KPIを”咀嚼”においても仕方ないので指標は書評その他のブログの更新に置こうかなと。

生活上の目標は他にあるので、ブログに引っ張られて他がおろそかになるようなことは避けたいですが、他に立てた目標を意識していくためにも書く場所はあった方が良いので。

 

「お金」が今年のテーマの一つ

さて、今年いくつか意識していこうとしている目標的なものの中に「お金」というテーマがあります。貯金とか奨学金の返済とか、日々のお金の使い方などなどもろもろ見直していきたいのですが、使い方という点では「寄付」についても改めて考えながらやりたいなーと思っています。

 

年末年始でいくつかクラウドファンディングの購入をしました

お金についてあれこれ考えていた年末年始の間に、いくつかNPOが挑戦しているクラウドファンディングを購入しました。

 

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは、crowd(群衆)からfunding(資金調達)するという意味の造語で、ここ5、6年で徐々に注目され資金調達力を増しているものです。
インターネット上で資金提供を呼びかけるもので、大口の資金提供よりも、不特定多数の一般個人から小口の資金を大量に集めることに主眼を置いたものです。新たな製品やサービスの開発など、挑戦したいプロジェクトを表明し、それに賛同した人が資金を提供します。
いくつかタイプはあるのですが、現在日本で一般的なReadyforやCampfireShoothingStarなどはみな「購入型」タイプでリリース後のサービスの一部やその他の見返りを購入する立て付けとなっていることや、「All or Nothing型」といって一定期間内に目標金額達成しなければいっさいの資金が入ってこない(そのためSNS上での応援などが非常に盛り上がりやすい)などいくつかの特徴があります。

 

支援したクラウドファンディングプロジェクト

今回購入したのは以下の3つのプロジェクトです。

 

readyfor.jp

 

想いを「本気で」カタチにするNPOを育む『成果志向の補助・助成金のすすめ』を発行したい! | クラウドファンディングサイト - ShootingStar(シューティングスター)

 

インターネットに助けを求める子どもを安全に支援団体と繋ぎたい(森山 誉恵(特定非営利活動法人3keys)) - READYFOR (レディーフォー)

readyfor.jp

 

プロジェクトの詳細は各プロジェクトページを見ていただければと思います。

 

クラウドファンディングによる寄付先選定で感じる課題

NPOなどが実施するクラウドファンディングにはこれまでも寄付してきたのですが、どうしても知り合いがやっている団体ばかりに偏ってしまいます。今回支援した3つのプロジェクトはいずれも知り合いがいるか、自身が何かしらで関わったプロジェクトでした。

最近NPO界隈の知り合いが増えて関わる領域自体が広がってきているために、その偏りもいくぶんかは和らいできているのですが、もう少し視野を広げて寄付していきたいなというのが課題です。

 

寄付のポートフォリオを組む

クラウドファンディング以外にも、数年前から毎月一定額以上の寄付を続けています。寄付を続けている方の中には、「収入の◯%を寄付する」というルールで運用されている方もいらっしゃるのですが、自分なりにどんな寄付が良いのか今年を通していろいろ実験してみるつもりです。

そこで考えたのが「寄付のポートフォリオを組む」という発想です。このキーワード自体から色々なことを考えることができます。
 

ポートフォリオと言っても難しいことを考えるわけではなく、大きくは2つに分けて全体としての自分自身の寄付のあり方を作っていくというものです。まずは、寄付頻度による分け方を考えてみました。

①寄付先、寄付額を固定した月額寄付。

一つは特定の団体に対して毎月一定額を寄付し続ける、というもの。
寄付を受けるNPOの側からしても固定収入が入るというのは非常にありがたいものですので、特に応援したい団体や関心ある社会課題がある方はぜひマンスリー寄付をしていくことをお薦めします。

私は現状、社会人スタッフとして関わっている3keysにマンスリーサポーターとして寄付を行っており、これは自分自身がスタッフとなる前から続けているものです。
自分でスタッフをするほどなのでものすごく関心のあるテーマ&団体なのですが、スタッフとしてかなりリソースを投入しているので金銭リソースは別の(関心はあるけど自分が直接支援はできない)団体に回すのも良いかなと考えています。 

②金額のみを固定し、寄付先を変動させる単発の寄付

さまざまな分野の多くの団体が寄付を募っていますし、先に記載したようなクラウドファンディングによる一時的なプロジェクトでも面白い取り組みがいくつも出てきていますので、単発の寄付用の予算もとって置くことで柔軟に寄付をしていきたいです。

寄付先の決定をするための情報収集の課題

また、柔軟に寄付をしたいと考えるとどうしても情報収集が大事になってきます。

個人的にはこの情報収集をかなり意識したいと考えていまして、

  • NPOの寄付募集の情報
  • 面白いクラウドファンディングプロジェクトの情報
  • そして、寄付後の活動報告の発信情報

など寄付関連の情報をしっかり追っていくことや、いろいろな情報を見て寄付先を決めていったものを積み上げる中で、自分なりの関心の在り処も改めて見つめ直したいと考えています。

ソーシャルセクターに関心があり、その分野で身を立てていきたいと考えている私なので、このように自分自身で情報収集体制を作っていこうと考えておりますが、多くの人がこのような情報収集をしていくことは考えにくいですし、そもそも寄付やNPOそのものに興味を持っていない人に寄付をもっと広げていくという寄付市場拡大の発想からすると、こうした情報自体を誰がどのように集めどのように伝えていくのかという問題は業界全体の課題の一つだと思います。

こうした情報収集の課題さえクリアできれば、ポートフォリオ寄付の寄付先を選定することに時間を使うことができます。毎月予算を取るという考え方であれば、ピンとくる寄付先がなかった場合や忙しくて寄付先を探せなかった場合には予算をプールしておいて、寄付すべきものが見つかった場合に一気に投入するといったこともできてなかなかおもしろいかなと。

 

社会的インパクト評価の潮流 

NPOを始めとしたソーシャルセクターを中心に、今年は「社会的インパクト評価の年」になるでしょう。

寄付についても、きちんと社会的インパクトの流れで語ることが求められていきます。
その寄付の先に何があるのかということ。そしてこの流れは寄付を募るNPOも、寄付をする支援者側も、どちらの側からも意識していくことが大切です。

私個人は、寄付する一個人であるとともに、NPOに所属したり中間支援に携わることで寄付を募る側でもあったり、以前にはNPO向けの寄付サイトを運営するなど寄付についてはこれまでもあれこれ考えてきたのですが、今年は改めて見つめ直しです。

しばらく寄付に関する自分なりのポートフォリオを組んでいく中で考えることなどがあれば、この場でも書いていければなと思います。

 

ポートフォリオ寄付サービスの登場(2019年4月追記)

本記事を書いてから約3年が経過し、ポートフォリオ寄付を仕組みとして提供するサービスが登場しました。

 

寄付プラットフォームSyncableの「ポートフォリオ」機能

prtimes.jp

まずひとつ目は寄付プラットフォームSyncableの「ポートフォリオ」機能です。この機能は、Syncableのユーザーである個人や団体がオススメのNPOをまとめたページを公開することができ、そのページに掲載されている団体にまとめて寄付することができるというもの。

NPO団体の数やクラウドファンディング等は数が非常に多く、その中から適切な寄付先を選ぶというのはなかなか難しい問題です。その切り口の一つとしてSyncableが推奨するのが「人によるキュレーション」です。「あの人がオススメする団体なら信用できる」というようなきっかけでの寄付が発生します。また、ソーシャルセクターに関わる人にとっても、自分が特に専門性や興味のあるNPOをまとめて紹介することができる機会というのはなかなかなかったのでとてもおもしろい機能です。

以下から現在公開されているポートフォリオを閲覧することができます。

syncable.biz

 

SOLIO

solio.me

2つ目は新たに登場した寄付プラットフォームSOLIOです。このサービスはポートフォリオによる寄付自体を主機能としたサービスです。

Syncableのポートフォリオ機能との違いは人をベースに選ぶのではなく「カテゴリ(活動分野)」により興味のある分野を選ぶということです。「子ども支援」「環境」「人権」など一口にNPOといっても様々な活動分野があります。個別の団体名までは選ぶことができなくとも、自分の関心のある分野にまでであれば選ぶことができるという人は一定数居るのではないかと思います。SOLIOが働きかけることを想定しているのはそのような人たちですね。SOLIOは団体選定自体はサービス側で行い、活動分野ごとに「パートナー団体」が選定されるという形になるようです。

 

まとめ

以上です。ポートフォリオによる寄付というキーワードは、寄付市場が盛り上がっていく中で今後もさらに色々な取り組みが登場していくことになると思いますので、引き続き注目していきたいと思います。