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上級ウェブ解析士に合格しました │ 初級から上級取得までにやったこと

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上級ウェブ解析士認定証の画像
こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。本記事ではWebマーケティングやWebコンサルティング分野の民間資格「上級ウェブ解析士」について、私自身の合格までの体験や資格取得の意義などをお伝えしていきます。

 

 

 

上級ウェブ解析士とはどんな資格か?

2018年3〜4月に講座を受講していた「上級ウェブ解析士」について、つい合格通知が届き無事に認定を受けることができました。

 

ウェブ解析士は 一般社団法人ウェブ解析士協会 (WACA)が認定する資格で、ウェブ解析の知見を活かして事業の成果につなげることができる人材育成を目的としています。

 

資格名に「解析」とついている通りアクセス解析を行うことができることも要件に含まれますが、単にアクセス解析を行うだけでなく事業全体の分析を行った上でウェブの施策に落とし込むことやウェブ上の課題から事業全体の成果と結びつけた改善提案を行うことが求められます。特に今回取得した「上級」は事業分析の方に重きが置かれているように感じました。

 

初級と上級の違いをカンタンにまとめると以下のようになります。

(初級)ウェブ解析士

企業の社内ウェブ担当者としてウェブの分析、改善提案ができるレベル

  • アクセス解析、Webマーケティングに関する知識を持つ
  • 数値から現状の課題を把握するための分析方法、計算方法を理解している

pr.waca.or.jp

上級ウェブ解析士

ウェブ解析に関してクライアントに対して適切なコンサルティングを行うことができるレベル

  • 事業の目的に応じたKPI設定やマーケティング計画の立案を行うことができる
  • アクセス解析による改善提案を行うための基準値を理解しており、業務設計を行うことができる
  • 分析結果を適切にレポーティングし事業成果につなげる改善提案を行うことができる

pr.waca.or.jp

 

なお上級認定講座を受講するためには初級資格の取得が必須となっています。

また、上級の上にさらに「マスター」という資格区分が存在します。このマスターについては「ウェブ解析士の育成をすることができる(協会から講座開催を認められる)」というものだそうです。通常、業務で必要になるのは上級までかと思います。

 

その他、ウェブ解析士協会では「Googleアナリティクス4講座」「SNSマネージャー養成講座」など特定の施策分野に特化した講座も用意されています。詳しくはウェブ解析士協会のサイトからご確認ください。

pr.waca.or.jp

なぜ上級ウェブ解析士を取得したか?

なぜこの資格を取得したのかというと自分の知識やスキルの確認しつつ、独学で詰め込んできた知識を体系的に整理したかったからです。関連の資格もいくつか調べましたが、「体系的に整理」という私の目的は本資格が一番満たしていたことと、アクセス解析について書籍で勉強する中で一番感銘を受けていた小川卓さんがウェブ解析士協会のプログラム監修に入っていたため内容に対する信頼性が高まったという点から決めました。

 

結論から言うと自分の目的はある程度達成することができました。

 

まず知識やスキルの確認という意味では上級ウェブ解析士水準の知識や実務に関するスキルは問題なく習得できており、すでに支援の現場で活用できているものが多かったです。むしろ新たな学びという面ではあまり多くありませんでしたが、いくつか具体的に使えそうな指標に関する視点や分析スピードをあげるための基準の持ち方などいくつかは持ち帰ることができました。

 

また、体系的な整理という意味では特に上級の方はアクセス解析周りだけではなく、いわゆる事業コンサル的な事業分析のフレームワークによる分析からウェブに関連するKPIへ落とし込んだ計画を作ることなど実践に即した知識活用の方法が確認できたので、それなりに自分の実践面で活かそうと思えるところもありました。

 

資格取得自体で「何かができるようになる」わけではない

世の中の資格の中には数十時間の研修や厳しい試験を含めて設計してあり、資格取得自体が一定のスキルの証明になるという類のものもあります。といいますが、本来的には資格とはそのようなものであるはずだとは思いますが、ではこの上級ウェブ解析士という資格を取得することで何かができるようになるか、というとなかなか難しいのではないかとも思います。特に本資格を取得することで「Webマーケティングに関するコンサルティングができるようになる」というのはなかなか難しいです。

 

この後資格取得までの課題等についても触れますが、数十ページのレポートや2日程度の座学で、一切の実技演習もなくコンサルティングができるようになるわけがありません。

 

コンサルタントやコンサルティングというのも名乗ったもの勝ちのようなところがありますので(私も含め)、なかなか難しいですが、例えばコンサルティングファームでは新卒や転職で入社した人が一人前のコンサルタントとなりバリューを発揮できるようになるまでには3〜5年程度は必要というのが一般的かと思います。だからこそ多くのコンサルティングファームではシニアコンサルタントなどコンサル自身のレベル分けがなされており、依頼料なども異なるのです。

 

コンサルティングができるようになる、というのがニーズであればお手軽な資格取得でそれを実現する方法はおそらくありませんので、あまり資格取得自体に高すぎる期待はしない方が良いと思います。

 

上級ウェブ解析士を取得することの価値

私自身が資格取得を目指した理由については上述した通りですが、では一般論としてこの上級ウェブ解析士の取得に価値があるのか、という点ですが、私と同じように自身が培ってきた知識やスキルの確認を行うという意味合いであれば十分に価値があると思います。先にも記載した通り体系化されたプログラムとしては非常に整理されています。ただ、アクセス解析や事業分析に関する知識の習得やその確認だけが目的であれば、多く出版されている書籍を読むこととあまり変わりませんし、ウェブ解析士協会のプログラムに高評価を下すにしても(初級)ウェブ解析士の取得までで十分ということになります。

 

では上級まで取得することの価値は何か、という点についてですが、2つほどあると私は感じています。

 

①アクセス解析やWebマーケティング等に関する知見のアップデート

プログラム全体が体型だった整理をされているものだという点はすでに触れましたが、さらにそれが毎年更新されていく、という点に私は価値を感じています。WebマーケティングやWebビジネスに関するトレンドは次々と移り変わっていきます。もちろんそれらは日々自分自身が案件に触れたり、情報収集を行っていくべきものであるのですが、私自身は普段の仕事でWeb関連だけを専門としているわけではなく、NPOコンサルタントとしてさまざまな分野の情報を収集しています。Webという特定のテーマに関しては情報のアップデートが追いつかなくなることもあるのですが、本資格を維持していくと毎年最新版のテキストが届きますので、更新された内容を確認するだけでもある程度の内容を頭に入れて分野としての変遷についていくことができます。

 

ですので、普段からWebビジネス専業で仕事をしており最新知見の入手は当たり前という環境にいらっしゃる方にはあまりこの点での価値はないと思いますが、私のように他分野も含めて仕事をしながらWebビジネスに関する専門性もアップデートし続けたい、というニーズがある方には資格取得やその維持は有効だと感じます。

 

②潜在クライアントへの専門性証明のスピードアップ

前述の通り私は普段NPOコンサルタントとして、NPO等の公益的な活動を行っている組織に対しての支援を行っております。支援テーマとして事業計画を扱うこともあれば、Webマーケティング等を扱うこともあるのですが、Webマーケティング等に関する専門性があるということをお伝えするのがなかなか難しいこともあります。

 

特に私の場合さまざまな支援テーマで仕事をしていることもあり、例えばビジョン策定のテーマでの研修に参加してくださった方に「Webマーケティングでもご支援ができるんですよ」と言ってもなかなかイメージしてもらえないことがあるのですが、その際にプロフィール資料や名刺に「上級ウェブ解析士」という肩書があると、それをきっかけに説明をすることができたりします。こうした効果は本資格に限った話ではなく資格一般に言えることだとは思いますが、まだまだあまり知名度のないウェブ解析士であっても「上級」とついていることで、それなりの専門性を感じてくださることはあるように感じています。もちろんこうした所見での印象だけで仕事につながるわけではないので仕事をしていく上での本質ではまったくないのですが、専門性証明も関係性構築の一つのステップですのでその効果があるということは価値であるといえます。

 

ただ、私の場合、楽天に勤めていたという経歴もあり、どちらがWebの専門性を伝えるのに便利かというと正直楽天のネームバリューの方が活きているような気はします。

 

ということで、WebやIT分野ですでに大きな実績を持っておりその実績を踏まえて知ってくださる方が多いような場合や、本資格よりもネームバリューのある経歴や専門性証明の肩書を別に持っている場合にはあまり意味はないかと思いますが、これからWebに関する専門性を証明していきたいという方には一定の効果はあると思います。

 

資格取得のためにやったこと(初級)

わざわざ太字にしたのですが、資格取得を目的としてやったことは一つもありません。強いて言うなら初級を取得する際に公式テキストは読みました。3周ほど。すでにコンサルティングを業務としていたので初めから上級を取得するつもりだったのですが、上級を受けるためには初級の合格が必須ということで昨年の11月に受験し合格しました。

 

初級については公式テキストの内容が理解できていれば問題ありません。個人的には改めて学ぶことは特にありませんでしたが、資格を目標に勉強を進める方のために基準を記載しておくと、初級については、

 

  • PV、UUやCVR、CPAといったWebマーケティング用語の意味が理解できている
  • 目標CPAを出すための必要予算や必要PVなどを計算によって算出することができる
  • アクセス解析ツールの基本的な使い方や分析方法を理解している

といった基本的なスキルの他に

 

  • 3C分析、4P分析等の基本的な事業分析のフレームワークを理解できている
  • アクセス解析ツール等の技術的な背景を理解できている

 

など多少の周辺分野(Webマーケティング環境を整えるための多少のエンジニアリングやディレクションの知識や、そもそも事業目標と紐づけて分析するための視点)の知識が必要となります。前者については関連の書籍を読んだり、自分でGoogleAnalyticsを触るなどして学ぶことができますが、実務でマーケティング業務に携わっていない場合は特に後者が多少苦労するかもしれません。それでもテキスト何度か読んで理解しておけばOKです。初級は試験のみで合格となりますが、試験ではCVR等の計算問題がそれなりに出ますので、計算に慣れていない方は練習しておいた方が良いでしょう。

 

資格取得のためにやったこと(上級)

上級についても改めて勉強したことなどはありません。むしろ上級については改めてテキストなどもないため初級以上に事前にやることはありません。(ただし、後述の通り採点対象となる「課題」が大量にあります)

 

合格した今振り返ってみると以下の経験の中で知識やスキルを身に着けてこれていたのだと思います。

 

①楽天時代の業務

楽天時代に私が担当していたのは広告企画、広告運用、マーケティングなどの業務です。これらの業務の中で、KPIの分解や目標KPIを達成するための施策指標の算出、施策の検討などはそれこそ毎日飽きるほど繰り返していました。実際、上級講座の講義の中で練習問題を解く時間がいくつかありましたが、他の受講生と比べてもかなり早いスピードで解くことができていたことはそれなりに自信になりました。

 

②Webマーケティング関連の書籍

楽天時代にも独学で勉強はしていましたが、楽天を辞めてコンサルに転職してから勉強量と幅が一気に広がりました。アクセス解析、リスティング広告、SNSマーケティング、オウンドメディア、ランディングページ、Webディレクション、その他マーケティング論全般などなど使えそうなものは片っ端から読みました。(良かった書籍については後ほどまとめ記事を書ければと思っています)

 

③コンサルティング業務

上級ではアクセス解析を行う環境を整えるための業務設計なども範囲に入っておりますが、これについては実際にコンサルティングの業務の中でクライアント相手に実務として行っていたため特に苦労することがありませんでした。逆にいえば実際に実務において(クライアントの選び方にもよるのでしょうが)環境が整っていることの方が少ないのでそのあたりは実際に即した課題だなと思いました。

 

 

資格取得までに大変だったこと

難しくはなかったのですが、上級取得はかなり大変でした。とにかく課題が多い

 

上級は丸2日間の講義の受講があるのですが、まず初日の講義までに事前課題があります。この事前課題がまずパワポで15枚程度でしょうか。課題サイトの改善のためのマーケティング計画書の立案を行います。サイトコンセプトやターゲットの分析からKPI分解にカスタマージャーニーマップの作成など。どれも経験がないと大変だと思います。最低5時間〜10時間ぐらい、経験ない方は倍くらい見ておいた方がいいかもしれません。

 

そして1日目の講義。事前課題の内容の範囲の解説がメインです。

 

その後2日目の講義まで2週間の空きがあり、この期間に中間課題があります。こちらも分量は事前課題と同程度。これも時間がかかります。

 

2日目の講義。中間課題の内容の範囲の解説とレポーティングについて扱います。

 

2日目終了後から修了レポートの作成に入ります。提出は2週間以内。課題サイトのアクセス解析を実施したレポートを作成するという課題。最低20枚が課されているのでこれもかなり時間がかかります。

 

全体的に分量が多いことも時間がかかってしまう原因ですが、それに加えて全体的に設問の意味が取りにくかったり、用語の定義が曖昧だったりして理解不能な部分が多いです。これは初級の資料やテストからそうでした。明らかな誤字や意味不明な設問などがあり、ウェブ解析士協会の日本語能力にかなり不安がありますし、その中で超大量の課題を作り上げることはかなりのストレスでした笑

 

また、レベル的に難しいと感じなかったとしても物理的にかなり時間がかかりますので、時間に余裕のある時に受講することをおすすめします。会社をたたむ間際の最強に忙しい最終月に事前と中間課題、転職したての慌ただしい時期に修了レポートの作成というスケジュールになった私は睡眠時間をけずりながら取り組むことになりました。辛かった。。

 

資格を活かしてやりたいこと

大きくは2つです。どちらも基本的にはNPOコンサルティングの中でやりたいと思っていること。

 

①Webマーケティング関連のコンサルティング

こちらについてはすでにやっているものですが、今後さらに強化していければと思っています。

 

  • アクセス解析を使ったサイトの改善提案
  • アクセス解析環境の設計
  • KPI設定、マーケティング計画の立案
  • SNSやメルマガ等のコンテンツ改善
  • ランディングページ作成

 

などなど。

 

②Web担当者の育成

こちらもいくつかのコンサルティング案件の中で実施していることですが、今後強化していきたい。

 

アクセス解析ツールの使い方や、施策結果の分析方法、施策の立案方法など組織内でPDCAを回していくことができるようになるための担当者の育成に力をいれたい。

 

講座についてもこれまで初心者向けのWebマーケティングの基礎の内容が多かったですが、今後は組織内の担当者を少し上のレベルまで引き上げる研修なども企画していけると良いなと思ったりしています。

 

 

ということで、上級ウェブ解析士、取得しました!

お仕事のご依頼、お待ちしております!お問い合わせについては以下より受け付けております。

www.daisuketsutsumi.com

 

ウェブ解析士の取得に関心のある方は以下より詳細をご確認ください。

 

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