こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。2018年5月21日はベンチマークメールさん主催の「メールマーケティングプロジェクトの進め方」というセミナーで講師をさせていただきました。
セミナーの様子
セミナー全体の立て付けはメイン講師の前田考歩さんが最近出版された本(予定通り進まないプロジェクトの進め方)で提唱されている「プロジェクト譜」というプロジェクトの構造を可視化し分析、検討するためのフレームワークを使って参加者それぞれのメールマーケティングプロジェクトをプロジェクト工学の視点から考え、参加者同士の議論や講師からのフィードバックを行う、というもの。
私はメールマーケティングの実務経験者&コンサルタントとして、
- 自身が経験したメールマーケティングプロジェクトをフレームに沿った紹介
- 参加者のワークに対してのフィードバックや質疑応答
- 最後に、PDCAを回し続けるための仮説思考方法の紹介
を担当しました。
昨日のイベントはNPO向けというわけではないので企業担当者が多く、さまざまな業種業態のメールマーケティングプロジェクトのお話を伺いましたが、メールに関するお悩みは企業もNPOもあまり変わりません(メールに限らずマーケティング全般に言えることですが)。
開封率やクリック率などKPIをどのように考えれば良いかという話もでますし、そもそもメールになんて携わったことがない人が多かったり、むしろマーケティング全般が初めてという方も少なくない。そしてそんな中でメールマーケティングを前に進め、なんとか良い効果を出していきたい、と。みんな暗中模索です。
暗中模索な状況の中でプロジェクト全体を客観視していく方法についてはプロジェクト譜を使ってセミナー中のワークの短時間でもみなさんかなり細かく落とし込んでいけていました。
あとは運用を続けながらいかに効果を改善していくかというところですが、その点については私の具体的な事例を元にした「仮説思考4ステップ」が少しでも参考になれば幸いです。
「仮説思考4ステップ」については以下の記事にて詳しく紹介していますので良ければお読みください。
「プロジェクト譜」とは?NPOでも有効活用できるフレームワーク
前田さんの提唱する「プロジェクト譜」はプロジェクトの構造や状況の変化を将棋の棋譜のように記録していくことで共有知化していこう、というもの。
その前提として「プロジェクトとは前例のない仕事であるために予測が立てにくく、失敗しやすく、そしてその知識や経験が蓄積、分析されない」ものだということがあります。
前田さんの本を読みながら考えていたのですが、NPOの仕事というのはプロジェクト型の仕事が非常に多い現場です。
NPOが人材育成力が乏しいと言われがち(私がそう感じることが多いです)なのは、再現性の低いプロジェクト型の仕事が多く、メンバーそれぞれの仕事の振り返りがしにくいことにも起因しているのではないかと感じました。
プロジェクト譜はロジックツリーの要領で、プロジェクトの達成条件から施策までをブレイクダウンしていくものなのですが、面白いのは”一度作って終わりではない”ということ。
棋譜の代わりになるものなので、状況が動く度にプロジェクト譜に起こしていくことで記録を残し、振り返りができるようになります。
定量的な記録はなにもプロジェクト譜という聞きなれないツールを使わなくとも良いと思いますが、プロジェクトという未知の仕事に取り組む間に直面する課題というのは概ね数字に表しにくいものです。プロジェクト譜はそうした定性的な状況を容易に書き起こすことができ、都度都度の状況判断を客観的に行いやすくなったり、プロジェクト終了後にプロジェクト外のメンバーも含めた振り返りがしやすくなります。
おおげさなツールを導入する必要もなく、紙とペンがあればすぐに試せますのでNPOの方々もぜひお試しあれ。
書籍『予定通り進まないプロジェクトの進め方』
プロジェクト譜について気になる方はぜひ本を読んでみてください。
ベンチマークの林さん、神田さん、そして一緒に登壇させていただいた前田さん、昨日は貴重なご機会をいただきありがとうございました!