NPO支援家堤大介のブログ│朝ぼらけタイガー

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「オウンドメディア担当者向けワークショップ メールマーケティングのプロジェクトの進め方」で講師を務めました

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こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。2018年7月6日はベンチマークメールさん主催の「オウンドメディア担当者向けワークショップ メールマーケティングのプロジェクトの進め方」というセミナーで講師を勤めさせていただきました。

 

セミナーの概要

本セミナーは5月に同じくベンチマークメールさんで開催した「メールマーケティングのプロジェクトの進め方」を、オウンドメディア担当者様向けにアレンジして開催されたものです。

 

 

ベンチマークメールはさまざまな業種、業態の方々に利用されているため、ベンチマークメールさんではユーザーのメールマーケティングを進めるためにこれまでにもEC向け、人材業界向け、不動産業向けといった形で業種特化のセミナーを企画されています。
 
今回はオウンドメディア担当者向けということで、企業内でオウンドメディアの運営を担当している中で、あるいは企画を進めている中で自社メディアを改善するためにメールマーケティングの効果をどのように高めていけば良いか課題を感じている方たちが集まりました。
 
当日の参加者からは具体的な課題として、
 
  • 見込み客へのフォロー
  • イベントへの集客
  • 見積もりの獲得
 
などが挙がっておりした。
 
講義全体の流れは5月のセミナーと同様に、まず前田さんからプロジェクトマネジメントのためのフレームワークであるプロジェクト譜(プ譜)の考え方をご紹介いただき、それを受けて私からは実際のメディア運営プロジェクトでメールマーケティングを実施した際の事例をプ譜を使って紹介させていただきました。
 
その後参加者の皆様に実際にご自身のプロジェクトでプ譜を作成いただいた後、参加者同士のでのプロジェクト譜の共有を行なっていただきました(プロジェクト譜はプロジェクトの状況やその進捗を将棋の棋譜のように表すというコンセプトのフレームであり、「感想戦」を行えるところがポイントです)
 
最後にいくつかのプ譜に対して私からフィードバックと、メールマーケティングのPDCAを回すための「仮説思考4ステップ」を紹介して終了しました。
 
セミナーの具体的な中身自体やプロジェクト譜の考え方については5月に開催したセミナーの報告記事にまとめておりますので下記をご覧ください。

プロジェクトの成功状態と具体的施策を結ぶ「中間目的」の設定

皆さんのプ譜作成の様子を拝見したりフィードバックを行う中でポイントだと感じたのは、「中間条件」設定の仕方です。
 
プ譜ではプロジェクトゴールの達成に向けて大きく3階層の情報に分解していきます。
 
  • 勝利条件…プロジェクト成功とみなすことができる状態(プロジェクトの失敗は関係者間でこの勝利条件の認識がずれたまま進んでいることが原因となっていることも多い)
  • 中間目的…勝利条件を達成するための主要成功要因(CSF)
  • 施策…中間目的を達成するための個別施策
勝利条件は少なくとも担当者である自身としての認識はすぐに認識することができますし、具体的な施策については比較的皆さんスラスラ出てきます。メールマーケティングやWebマーケティング初心者の方であったとしても。初心者とはいえこれまでの様々な業務経験や普段から収集している情報などから施策については考え出すことができます。
 
ただし、中間目的の設定やブレイクダウンがうまくいけば、です。
 
中間目的は勝利条件達成のための主要成功要因と説明されています。言い換えるならCSF(Critical Success Factor)なのですが、この検討がなかなか難しいようです。
 
発想のポイントとしては勝利条件達成とは具体的にどのような状態か?という問いから始めるのがやりやすいかと思います。これはNPO等で作成するロジックモデルなどでも同様ですね。最終ImpactやVisionから長期Outcomeへ落とし込む際に、自団体が出したいと思っているImpactとは具体的にどのような要素が揃っていればよいのか?という問いを考えるようなイメージです。
 
例えば、勝利条件が「(オウンドメディアを見て)会社のファンになってくれる」というものだったとしたら、ファンになっているとは具体的にどのような状態か?という問いから考える必要があるということです。
 
この問いから出てくる答えは組織やメディアの状況によりけりです。
 
新規にメディアを立ち上げるような場合で会社やメディアのファンが具体的にどのような人たちなのかが思い浮かべることができなければ、ファンの定義を行うということがまず最初に必要になりますので、これが中間目的に入ってくるかもしません。あるいはファンに伝えたい・理解してもらいたい提供価値の検討というところかもしれません。
 
こうした中間目的を考えることができれば、具体的な施策はいくつも出てきます。例えば、自社メディアの提供価値を考えるために競合他社のメディアの提供価値を分析したり、それと比較して自社の提供価値を洗い出すために社内で座談会やワークショップを行うといったことなどです。
 
メディア運営がある程度続いており読者やファンが一定数いる場合であれば、その読者獲得ルートを最大化するということや、ファンにとってさらに魅力あるコンテンツを増やすということが中間目的に入ってくるかもしれません。この場合も具体的施策の検討はそれほど難しくないと思います。
 
ということで中間目的をいかに設定するかというところがポイントとなるのですが、成功状態の構成要素を検討するという発想はある程度の経験や訓練も必要になるところかと思います。
 

理想と現実のギャップを埋める発想は問題構造学で学べる

こうした発想に慣れておらず、身につけたいという方は「問題構造学」を学んでみるというのも一つの方法です。
 
問題構造学とは読んで字のごとく問題の構造についての学問です。問題や課題の構造をどのように捉えるかということ。
 
問題とは何かというと「理想の現実とのギャップ」のことです。ギャップがなければ問題はないわけですね。では問題を解決するとはどういうことかというと、このギャップを埋めていく作業のことをいうわけです。
 
問題構造学ではこのギャップをどのように構造化して捉えるかということを扱うのですが、最低限この「理想と現実のギャップ」という捉え方を覚えておくだけでもかなり物事を考えやすくなると感じています。
 
詳しく知りたい方は以下の本がオススメです。