NPOコンサルタント堤大介のブログ│朝ぼらけタイガー

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Webマーケティングの特徴と目的別に捉える施策の3分類

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Webマーケティングの特徴と目的別に捉える施策の3分類

こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。 本記事では「Webマーケティングの特徴と目的別に捉える施策の3分類」と題し、取り組みたいけれどどこから手を付けて良いのか分かりにくいと悩まれる方も多いWebマーケティングについて、その基本的な特徴や取り組むべき施策の選び方についてお伝えしていきます。

 

 

寄付やボランティアといった支援の獲得、イベントやその他自団体の日々の活動の紹介、そして取り組む社会課題についての認知の拡大などを進めていくために「マーケティング」に力を入れるNPOが増えています。

特にWebマーケティングは手軽に実施できるものも多いため、リソースの少ないNPOこそうまく活用していきたいものですが、適切な施策を選ばなくては思うような効果は望めません。

 

Webマーケティングの特徴

Webマーケティングには従来のオフラインのマーケティング施策とは違ったWebならではの特徴がいくつかあります。

ここでは基本的なものを3つご紹介します。

 

  1. 簡単に始めることができる
  2. コストが安い
  3. 効果の計測ができる

順に説明していきます。

 

1. 簡単に始めることができる

Webマーケティング施策では、申し込み手続きや、実施、分析までweb上で完結しているものが多く、早いものでは数時間以内に実施することができます。 もちろん止める時も同様です。思い立ったらすぐに始めることができるため、緊急的な情報発信にも適しています。

 

2. コストが安い

Webマーケティングにかかる費用は従来のオフラインのマーケティング施策に比べて安い価格で実施できる傾向にあります。 非常に小さな額から開始することもできる点も特徴ですが、何より無料で実施できるものが多いこともNPOにとっては大きな魅力の一つです。

例えば、Googleの検索連動型広告(Google AdWords。検索画面の上部や下部に表示される広告)に毎月約100万円(1万ドル)分無償で出稿することのできるGoogle AdGrantsなどがあります。

 

3. 効果の計測ができる

Webの施策では、施策にかかった費用の他、多くの情報を計測することができます。 URLをクリックした人の数やそのうち寄付につながった数などを計測して、施策の効果を分析・改善することができます。

 

Webマーケティング施策の3分類

気軽に低コストで始められるWebマーケティングですが、目的を持って適切な施策を選択しなければうまく効果につなげていくことはできません。 必要な施策を整理して考える上での切り口として施策を3種類に分けて解説します。

マーケティング施策の分類やマーケティング・プロセスにはいくつか考え方がありますが、ここではなるべくどんな組織にも適用できるよう「集客」「接客」「再来訪」の3種類に分けた考え方をご紹介します。

 

Webマーケティング施策の分類

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こちらの図は、代表的なWebマーケティングの施策が3つのうちどこに分類されるかを表したものです。※1

また、無料で実施できる施策と、有料のものを色分けしています。※2

 

※1…施策によっては集客、接客、再来訪の復数のフェーズに渡って効果を発揮する施策もあります。例えばブログの記事が増えることで、ブログをきっかけにサイト訪問してくれるという集客の効果を持つこともありますが、ここではブログの記載内容や情報発信の態度が信頼性の向上につながるという「接客」面での効果に重きを置いて分類しています。
※2…有料/無料の分類については内部の担当者の専門性によって分け方が異なる場合があります。例えば、SEO対策は範囲も幅広く組織内のWeb担当者が実施できることも多くあります。逆にコンテンツ力・ユーザビリティ・アクセシビリティはそれぞれ専門で実施している会社もあり、対応を外部に発注する場合には有料施策となります。

 

集客施策

集客施策とは、「Webサイトへ人を連れてくる施策」です。どんなに良いサイトを持っていても見てくれる人がいなければ意味がありません。 現在のインターネットには膨大な量の情報が存在し、また日々増え続けています。 情報を届けたい人に届け、サイトに訪れてもらうための施策を実施することが必要です。

FacebookやTwitter等のソーシャルメディアの他、広告を活用してそれまで情報を届けることのできなかった人に伝えることもできます。

 

接客施策

2つ目は接客施策。「訪問してくれた人を支援につなげる施策」です。 サイトを訪問してくれた人には、サイト上で何らかの支援につながるアクション(サービスの利用申し込み、寄付や会員の申し込み、資料請求、イベント申し込み、メルマガ登録など)を取ってもらうことが目的となります。

Webサイト上でうまく「接客」するためには、適切な情報が理解しやすく整理、表現されているというようにコンテンツの魅力を上げることと、支援を決めた人がストレスなく申し込みを完了できるようなサイトの機能面を充実させることが必要です。

 

再来訪施策

再来訪施策は「もう一度サイトに来てもらったり、関係を深める施策」です。 特にNPOにおいては「関係を深める」という視点はとても大切です。 支援の御礼を伝えたり、活動の成果を伝え、さらなる活動の応援につなげていくことのできる体制を整えましょう。 こちらに分類されている施策は数が少ないですが、この段階で必要なことは多くの施策を行うことよりも「相手に合わせた施策を行うこと」です。さらに言えば、「適切なタイミング」であることも重要です。例えば、寄付をしてくれた人にはどのタイミングでどのようなお礼や活動報告を行っているでしょうか。適切なタイミングでメールを送ったり、顔の見える相手であれば電話や個別訪問を行うなどオフラインの施策と組み合わせて検討することも有効です。※3

 

※3…オフラインの施策との組み合わせが有効なのは集客や接客についても同様です。例えばイベントに参加してくれた方にはメールアドレスをお聞きし、後日メールマガジンを送付するという組み合わせが考えられます。

 

どの施策から取り組むべきか?

多くの施策がある中で、運用にそれほど手をかけることのできないNPOでは優先順位を決めて選択していかなければなりませんが、まず意識しなければならないのは、「集客」「接客」「再来訪」はどこかが欠けていてはいけないということです。

どんなにがんばって人を集めても、接客がなっていなければ支援にはつながりませんし、逆に素晴らしい接客ができたとしてもそこに訪れる人がいなければ意味がありません。また、一度支援してくれた人と関係を続け説明責任を果たしていくこともNPOにとって非常に重要なことです。

まずは集客から再来訪まで一連の流れを構築することが大切です。その後は、3つの切り口のうちで弱点となっている箇所から改善したり新規の施策を追加していくことになります。

無料で実施できる施策も増えていますが、闇雲に手を広げると日々の運用ばかりが大変になっていまいます。 自団体のマーケティングを考える上で「いま足りないものは何か」という視点で実施する施策を選んでいけるようにしましょう。

現状の施策のどこに弱点がありそうかを発見する方法としてアクセス解析などがありますが、 課題発見方法についてはまた回を改めてご紹介します。 また、施策それぞれの特徴などについても別途紹介していければと思っています。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。