こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。本記事では私が2014年に読んだ本の中から特に面白かった本をご紹介します。
本記事の内容
年末になるとよくまとめやランキングの記事を見て、知らなかった面白そうな本を見つけるの楽しいので、僕の記事でもどこかの誰かが新たな本を読むきっかけになったら嬉しいですね。本のジャンルはバラバラです。基本バラバラなんですが、自分の中では一冊読む中で考えたことをもとに関連するテーマに飛んでいるつもりのことも多いです。ですので紹介する本は読んだ順に並んでます。あと、自分なりに勉強しようかなーと思っていたテーマはあったりするので、それは本の紹介の後に書こうと思います。何をしてて何を考えてる人が選んだ本なのか、という部分にまで興味を持つ方はぜひ御覧ください。
小説・エッセイ以外の10冊
まずは小説やエッセイ以外の本たち。いろいろ入ってるのでなんて呼んだら良いのか分かりませんでした。
内向型人間の時代
現在の社会はあまりに外向型中心に作られすぎている。外向型、内向型それぞれに強みがあるのだから内向型の人は無理に外向型に自分を矯正しようとすることなく適材適所でやっていけるようにすべし!という本。
「もっと明るくハキハキしましょう」という社会からの圧力に苦しさを感じてきた人はぜひ読んでみてください。「あぁ引け目を感じる必要はないのか」と安心できます。
著者のスーザン・ケインが同じテーマをTEDトークでも披露しています。TEDで一番好きなプレゼンです。
スーザン・ケイン 「内向的な人が秘めている力」 | Talk Video | TED.com
レビューはこちら。
『内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力』のレビュー スーザン・ケイン (22minさん) - ブクログ
※ブログ開設前のレビューははブクログです
誰のためのデザイン?
最新の家電の使い方がよく分からなかったり、街中で出会う水道やウォシュレットの使い方に戸惑ったり、ドアや鍵の開け方が分からなくて困ったり。そういう経験、誰でもあると思います。「間違う人が悪いのではなく、デザインが良くないから起こるのである。」本書の中心テーマはこれです。
このテーマを紐解くために、人はどのようにモノを捉えるのか、という認知心理学の研究結果を元に丁寧に解説します。
デザインと名のつく仕事に携わる人は必ず一度は読むべし。
インターフェースデザインの心理学
メンタルモデルの話などは『誰のためのデザイン?』と被る部分もありますし、そちらの方が詳しいです。ただ、こちらはとにかく簡潔で読みやすい。
全10章、100個のトピックに分かれているんですが、一つ一つのトピックは1ページから長くても5ページほどにまとめられており、興味深い事実を次々とテンポよく読んでいくことができます。
必要なとこだけ読み返したりはしやすいのでお勉強用にはこちらの方が良いかもしれません。
『インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針』のレビュー Susan Weinschenk (22minさん) - ブクログ
成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか
大切なテーマの一つとして「レジリエンス」という概念が扱われます。最近ビジネス界隈でも聞かれるようになってきましたね。2015年勉強したいテーマの一つです。
『成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか』のレビュー ポール・タフ (22minさん) - ブクログ
子どもの貧困
データが豊富で、丁寧に解説してくれているのでこの分野について興味をもった方が最初に手に取るにはとても良い本です。2冊目も出ていてそちらでは解決のための政策選びについて書かれているので、社会政策に興味のある方は2冊めも合わせてどうぞ。
『子どもの貧困―日本の不公平を考える』のレビュー 阿部彩 (22minさん) - ブクログ
コンテナ物語
産業の歴史といえば、画期的な「商品」「製品」ばかりに目が行きがちですが、グローバル経済の発展に革命的な影響を与えたのは「コンテナ」であり、「物流」であるという話。面白い。今まで物流なんてあんまり注目してなかったけど、考えてみればいつの時代も時代を動かしてきたのは「運ぶ力」なんですよね。
最近Amazonがドローンを使った配送や即日配送を本気で取り組み始めたり、都市圏では弁当やお花を速攻で届ける新たなサービスが立ち上がったりと、インターネットと物流の新時代に突入している時代ですので、改めて物流の歴史について勉強してみるのも良いと思います。コンテナの父マクリーンの起業物語としても面白いです。
『コンテナ物語 [電子書籍]』のレビュー マルク・レビンソン (22minさん) - ブクログ
生命40億年全史 上・下
地球の生命の歴史の話。そして生命の歴史を解き明かしてきた古生物学者たちのお話。
著者の自分語りや学者たちのエピソードが不要、という感想もみかけるんですが、僕はそれがあってこそだと思います。
小学生のころ夢中になって図書館で読んだような恐竜や、恐竜前の生物、恐竜後の生物、様々な物語。そうした生物の物語の裏に古生物学者たちの尋常ではない苦労がつまっていることを知ることができておもしろい。
生命の歴史は彼らなしでは解明されていかないわけで、この本のようにセットで楽しむのが一番なんじゃないかと思う。
チームが機能するとはどういうことか
古今東西の様々な経営理論、リーダーシップ論に加えて、心理学などの最新の成果を盛り込みつつ、著者自身によるインタビューや実験などの研究結果の集大成と言える内容を、すべて「良いチームを作るためにリーダーがすべきこと」という視点でまとめ直すという取り組み。ビジネス書もちょいちょい読みますが、最近読んだどれよりも面白かったです。
脳には妙なクセがある
いろいろなテーマで私達が日常経験する思考の仕組みを紐解いていって、最後の最後に「意思はただの錯覚」「周囲の環境やそれまでの経験による反射でしかない」というどんでん返しをしてくれます。しかもこの最後のお話がまたちょうおもしろい。
世界史 上・下
小説・エッセイ5冊
一九八四年
ここで描かれる究極的な姿がそれほど非現実的ではなく、ありえるかもしれない何かを想像させるのはさすがの名作といったところですし、現実社会の怖ろしいところでもあります。
モモ
「時間の価値」とか、「何を大切に生活するか」というような、そういう普段向き合わないけれど実はすごい大事なことを考えたくなる本。大人も子どももみんな読んだら良いですよ。本を読むことが大好きで大好きで仕方がない!という人には同じくエンデによる『はてしない物語』もおすすめです。
『モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』のレビュー ミヒャエル・エンデ (22minさん) - ブクログ
安吾史譚
天草四郎とは、「いかにも頭の悪い熱狂的テロ少年」。生まれながらの天皇の子として生まれ育てられた孝謙天皇がいかに純粋な人間であったか、そして彼女に寵愛された道鏡とはいかなる人物であったのか。
などなど、教科書を読んでるだけでは絶対想像できない歴史人物評論。寵愛された、とか言われてもね、想像できんのですよね。そこには僕たちみたいな、いや僕たちとはぜんぜん違うのかもしれないけど、それでもやっぱり感情を持った人間がいたわけで、人間味のある愚かしさとか賢しさとかで積み重なってきているものだと思います。
やはり歴史というのは単なる事実の羅列ではなく解釈による学問でありストーリーなんだなと、その面白さを改めて感じさせてくれる一冊。
虚空遍歴
周五郎の長編三部作「樅ノ木は残った」「虚空遍歴」「ながい坂」はいずれもいかに生きるかをテーマにしたものですが、この虚空遍歴はとても苛烈で切ない。自分の生き方を顧みたくなること必至。読後感ものすごく強いです。
海と毒薬
リアルでもネットでも「空気を読んで」互いに良い人であることを強いられたり、身内外の人間に対して容赦のない攻撃性を見せるような悲しいニュースが増えたりと寂しい世の中です。道徳のお勉強なんかするより、ぐっと心を抉るような本で考えこんでみるのも良いと思います。
以上15冊でした。
2014年勉強しようと思っていたこと、どういうテーマで読む本を選んだか
- デザインの「根っこ」について考えよう
- 子どもの教育について考えよう
- 歴史の勉強をしよう