NPOコンサルタント堤大介のブログ│朝ぼらけタイガー

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地球環境基金「若手PL研修」にてNPOのWebマーケティングの講師を務めました

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こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。2018年7月3日にWebマーケティングの研修講師を務めてきました。

 

 

 

地球環境基金 若手PL研修

今回講師を務めさせていただいたのは、環境系の助成財団である地球環境基金(環境省所管の独立行政法人環境再生保全機構により運用される環境基金の一つ)さんのプログラムである「若手PL研修」です。

 

全国の環境系NPO、NGOの若手PL(プロジェクトリーダー)の育成を目的として、3年間という長期に渡り助成&育成を行う研修プログラムとなっています。年間3回の合同研修において、PLとして必要な素養を身につけるためのさまざまな研修が行われます。

 

3年間のプログラムが毎年、第1期・第2期と続いており、すでに第5期が走り始めています。今回私が担当したのは第4期生の2年目の第1回目の研修です。

 

昨年、一昨年もPubliCoとしてこの研修の講師を担当させていただいており、今年で3年目となりました。

 

NPOのWebマーケティング

研修自体は1泊2日で行われるのですが、今回私は1日目を担当し、Webマーケティングをテーマに丸一日研修を行いました。NPO向けのWebマーケティング研修は多く経験していますし、丸一日あるいは1泊2日の研修の講師も何度も経験がありますが、Webマーケティングのテーマだけで丸一日使えるというのは個人的にも始めてで、かなりプログラムを作り込んで当日に臨みました。

 

以下のスライドは当日の流れです。

 

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大きく3点から説明していく構成としました。

  1. 「成果」の理解 : 組織のビジョン・ミッションとマーケティングがどのような関係にあるのか。マーケティングの目的とは何か。特にWebにおいては何を目指すべきか。
  2. 「施策」の理解 : Webマーケティングが目的を達成して成果を出すためにどのような施策の種類が存在し、どのように使いこなし組み合わせればよいのか。
  3. 「計画」の理解 : 施策を実施し、振り返りを行い、次の施策を考えるという作業を繰り返すための基本として何を理解すれば良いのか。

 

「成果」の理解

「成果」の理解については、そもそもNPOの存在意義やビジョン・ミッションという大きなテーマから話に入りました。第4期生は3年間の研修のうち2年目に突入したところであり、ビジョン・ミッションと事業との関係などはロジックモデルづくりなどを通して1年目に経験しているため、昨年度の研修内容と今回の研修で扱う内容を関連して捉えてもらうことが狙いでした。

 

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その後は自団体のWebマーケティングにおけるコンバージョンについて解説し、それぞれで検討してもらいました。コンバージョンを考えるということは、そもそも自団体のWebサイトに来てほしいのはどんな人たちで、それぞれの人たちに何をして欲しいのか?を考えるということです。

 

残念ながらこの点が曖昧なままなんとなく情報発信だけをし続けている、という団体は少なくありません。誰に何をして欲しいのかが定まっていない情報発信は、結局のところ誰にも届かず、ただ徒労感だけが溜まっていってしまうことになります。

 

当日の研修生からも「自団体はそもそもWebマーケティングの目的が定まっていなかったことが分かりました」という声が聞かれました。

 

NPOのコンバージョンの考え方に関しては以下の記事にまとめていますのでお読みください。

 

www.daisuketsutsumi.com

 

「施策」の理解

コンバージョンを定めることができたら次はそのコンバージョンを獲得していくための施策について考えていきます。まずWebの施策を考える前提として細かなターゲティングなどを可能とするデータの力を理解する必要性についてお伝えしました。

 

その上で施策の大まかな種類として3つに分類する考え方を紹介し、それぞれの施策について具体例やポイントを紹介していきました。

 

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集客施策では多くの団体が使っているSNSの活用のポイントについて具体的なツールや考え方を紹介しながら解説しました。

 

接客施策ではいくつかの施策の考え方を紹介した他、実際に自団体で取り組みやすい考え方としてランディングページの考え方について紹介しました。LP作成については最後の演習でも取り上げ、実際にLPを作成するための下書きを作成してもらいました。

 

再来訪施策については研修生からの質問を受けながら、LINE@とメールマガジンの違いなどを解説しました。最後のネクストアクション発表でLINE@を新たな取組として決定した研修生もおり、必要性を強く感じてもらうことができました。

 

「計画」の理解

最後はPDCAサイクルを回していくための基本的な考え方です。

 

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目標設定、良い目標と悪い目標、KPIへの落とし込み、マーケティングファネル、効果測定、アクセス解析、分析の考え方といった内容を扱いました。

 

計画立案やPDCA自体はWebマーケティングに限った話ではありませんが、Webならではの数字と関係する点について特に詳しく説明を行い、自団体の事業を進める際に数字で捉えることに取り組んでもらえるような視点を提供しました。

 

良く「何から手を付けてよいのかわからない」という質問というか悩みをいただきますが、その答えを得るためには、まず自団体の現状を客観的に捉えることが必要です。スライドを紹介しているKPIの考え方などは特に、自団体の現状を数字で客観的に捉え、改善策を考える足がかりとなるものです。

 

合計100枚のスライドというかなり超大作となりましたが、6時間かっちり講義とワーク、質疑応答を行い、研修生からも好評を得ることができました。ありがとうございました。

 

少しでも各団体のWebマーケティングが前に進み、成果の創出につながりますように!