NPOコンサルタント堤大介のブログ│朝ぼらけタイガー

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アクティブ・ブック・ダイアローグ認定ファシリテーターを取得しました

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アクティブ・ブック・ダイアローグ認定ファシリテーターを取得しました

こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。本記事では私が新たに取得したアクティブ・ブック・ダイアローグ認定ファシリテーターについてのご紹介と、本資格を使ってやってみたいことなどをお伝えしていきます。

 

アクティブ・ブック・ダイアローグとは

アクティブ・ブック・ダイアローグ®(ABD)とは、集団(グループ)で読書をする読書手法のことです。事前に各自で読んできた本について紹介し合ったり語り合ったりする読書会とは異なり、アクティブ・ブック・ダイアローグでは、集まった人が一冊の本をその場で分担して本を読み(※)、担当箇所をそれぞれまとめて発表・共有し、得られた気づきや学びを対話することでさらに深めるという複合的、総合的な読書法です。※事前に各自で読みまとめを作成した上で集まる形式もあります。

一冊の本を分担しながら読むことができるため、読書が苦手で普段あまり本を読まない方でも気軽に本からの学びを得ることができますし、分担して一気に読みすすめるため一人ではなかなか読めないような分厚い本でも短時間で読むことができます。また、分担して発表・共有することや、対話で気づきを深めるプロセスが含まれているため単純に対象とする書籍の内容からの学びを得るというだけでなく、参加者間のチームビルディングや共通言語作りのために活用することもできます。

ABD自体の概要や特徴についてはアクティブ・ブック・ダイアローグ協会のHPをご確認ください。

www.abd-abd.com

ABD認定ファシリテーター

ABD自体はそこまで複雑で難しいものではないため、進め方の概要さえ理解すれば開催すること自体は難しくありません(上記のABD協会のHPでは無料マニュアルも配布していますので関心のある方はぜひダウンロードしてみてください)が、ABDという手法には参加者の学びを深めるためのさまざまな工夫や仕掛けが埋め込まれており、それらを正しく理解することや対話を促すファシリテーション術を鍛えることでより良い学びの場をつくることが可能となります。ABD協会ではABDという手法に関心を持ち、より良い学びの場を作りたいと望む方を対象に認定ファシリテーター講座を開催しており、この度私もこの講座を受講して認定を受けることができました。

講座の詳細は以下をご確認ください。概ね年に一、二度開催されているようです。

www.abd-abd.com

3日間の研修の受講(各回の間に受講生同士でのABD開催などの課題あり)と、受講後のABDイベントの自主開催及びそのレポート提出という流れを経て認定を受けることができます。もし認定取得に興味があるという方がいらっしゃれば、事前に何か特定の勉強や経験をしていないと受からないという類のものではありませんが、事前にABD参加する経験を一度はしておいた方が良いと思います。

ABDを活用してやりたいこと

さて、少し前置きが長くなりましたが、本題はここからです。認定ファシリテーターを取得したのはこの手法を仕事にも活用していきたいと考えているからです。私は普段コンサルティングという形で個別の団体の経営課題の解決に伴走したり、研修講師として講義やセミナーという形で知識や考え方を伝えたりトレーニングしたりするという形で主にNPO業界の方たちに向けて仕事をしております。扱っているテーマは、ビジョン・ミッションから事業計画・事業開発、マーケティング、Web・IT、ボランティアマネジメントなどかなり幅広く扱っていますし、新たに伝えたいというテーマがあればそれを自分なりに勉強して研修テーマとして仕上げたりすることもあるのですが、日々NPOやそのスタッフのみなさまと向き合っていると、自分自身が深い専門性を持っているわけではないけれど「この悩みについては学問分野としてはかなり研究がなされていてそこから学びを得られる筈だな」とか「その課題についてはすでにある程度明確な答えのようなものがあの書籍に書いてあるんだよな」などと感じることがけっこう多くあります。「巨人の肩の上に立つ(standing on the shoulders of Giants)」という言葉もありますが、先人たちの学びの上に歩みを進めていくための機会つくりという形であれば、必ずしも私自身が専門的な知見を持っていない分野であっても学びの場や機会をつくり、コンサルティングや研修講師とは違った形でNPO業界その他に関わっていくことができるのではないかと考えています。

ABDを活用する具体的な方法はさまざまに考えられると思いますが、現時点では大きく3つの方向性があり得るかなと考えています。

①NPO運営者、スタッフ向けの学びの場開発

まず1つ目は、これまで私がやってきたコンサルティングや研修講師業と同じく、非営利組織の経営や運営に関わる代表者、スタッフの方向けの学びの場としてABDイベントを開催していくというものです。

複数の団体の方が集まって開催する集合研修形式で実施することもできますし、同団体内のスタッフを対象とした職員研修やワークショップとしてABDを開催するということもできます。

前者はすでに何度かご依頼をいただきABDファシリテーターを務めたり、私自身が講師を務める研修のプログラムの一つとしてABDを取り入れるということもしています。(例えば以下など)

 

www.daisuketsutsumi.com

 

ABDには共同作業によるチームビルディングや共通言語醸成の効果もありますので、同団体内の職員研修として実施することも有効と考えています。解決に取り組んでいる社会課題についての基礎知識を得るための書籍を全員で学んで事業づくりに活かしたり、組織開発に関わる本を皆で学び自分たちが望む組織の方向性について対話することもできるでしょう。

②NPOへの理解・共感醸成のための機会つくり

2つ目は、NPOで働く人というよりは寄付者や会員などNPOや受益者を支えるような関係の方を対象とし、一つの本を共に読み対話するという経験を通してNPOへの共感を高めるという方向性です。

例えば代表の方が著作を出版されている場合や、団体の活動について取り上げた書籍があるような団体であれば、その本をABDで読むことで団体への共感を大きく高めることができると感じます。ABDには自分が担当した箇所を要約し互いにプレゼンし合うというアウトプットのプロセスが含まれているため、単に一人でインプットとして読むだけよりも学びも気づきも深まりやすいですし、同じ寄付者という立場の方と対話をする経験は自分以外の支援者の視点や気持ちを知ることにもつながり、これも共感性を高めることにつながるといえます。

また、NPOを寄付者や会員となって支えたいという方の中には「社会課題の解決に関心があるが、自分にはできないのでその想いを託す」という考えから支援をしてくださる方も多くいらっしゃいます。そうした寄付者、寄付候補者の方に、「知ることや学ぶことも社会課題に関わることの一つである」ということを学びの場と合わせて提案できることは市民の社会参加を促すNPOとしての大切な役割を果たすことにもつながると感じます。

また、ABDは書籍以外を使って実施することもできます。例えばNPOでは毎年一年間の活動の成果をまとめて「年次報告書(アニュアルレポート)」を作成して支援者の報告の機会やツールとしている場合が少なくありません。毎年大変な手間をかけながら素晴らしい報告書を作成されている団体さんも多くいらっしゃいますので、例えば年次報告書を寄付者と一緒に読むABDを開催するといったこともできます。年次報告書には団体の一年間の成果や今後の展望が描かれていますので、それを寄付者の皆さんと一緒に対話しながら読むことができると、団体に対する理解や共感など、団体との関係性はさらに高まるのではないでしょうか。

③地域で暮らすひとりの市民としての学びの場作り

3つ目は、NPOコンサルタントという仕事とは別に私が個人として模索していけたら良いなと考えていることです。地域に暮らす一人の市民として、地域づくりや地域に関わることについて、同じ地域に暮らす方と共に学び対話をするような機会がつくっていけたら楽しいだろうなと思います。私には子どもがいませんが、もし子育てをすることがあるなら、子育てや教育に関わるような書籍をABDで学ぶ場をつくるのも楽しそうですし、地域の政治(自治)や地域における事業づくり、暮らしづくりについて学ぶ機会なども作れたら良いなと思います。

多くのNPOのみなさんと関わる中で、地域におけるさまざまな素敵な取り組みを知る機会にも恵まれてきましたが、忙しく働く生活が続く中で、自分自身が住んでいる地域に一人の住民・市民として深く関わるということがこれまであまりできてきませんでした。リモートワークで自宅で仕事をする時間も増えるようになったからこそ、改めて考えていけると良いなと思っています。

ABDファシリテーターとしてのご相談をお寄せください

ということで、本記事ではアクティブ・ブック・ダイアローグ認定ファシリテーター取得のお知らせと、ABDを活用してできそうなことややってみたいことなどをご紹介してみました。本記事に書いたような内容以外にも色々と可能性がある面白い手法だと思っていますし、ABDという手法に限らず、本」を使った学びの場づくりを広く模索していければと思っておりますので、何かご一緒できそうなことがありましたらお気軽にお声がけいただけますと幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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