NPOコンサルタント堤大介のブログ│朝ぼらけタイガー

NPOなど公益組織支援を行うコンサルタントのブログです。ファンドレイジング、NPOマーケティングなどのテーマについて発信しています。

当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

Webマーケティング改善のための”気づき”を得やすい3つの分析視点

スポンサーリンク

Webマーケティング改善のための”気づき”を得やすい3つの分析視点

※本記事は前職株式PubliCo時代のメディアPubliCoジャーナルに執筆した記事を移行したものです。(元記事の公開日:2016.11.8)

 

Webマーケティングの特徴の一つに「効果の計測ができる」というものがあります。

Web上からはさまざまな数字情報(データ)を取得することができるため、Web以外のマーケティングに比べ分析を行いやすいということです。

 

「分析する」とはどういうことか?

 

では「分析する」とはどういうことでしょうか?

 ちょっとした例題で考えてみましょう。 

例えば目の前に以下のデータからどんなことが言えそうでしょうか。

f:id:minutes22:20180630170959p:plain 

 

このデータだけを見て何かを言うことは難しいはずです。

データは個別の事実ですが、事実がただ並んでいるだけではそこから何かしらの気づきを得ることは難しいでしょう。

Webマーケティングの実際の場面に即して考えてみると、Google Analyticsの画面をただ眺めていたり、なんとなく指標の管理表を作っているだけでは改善策が浮かんでくることはないということです。

 

では最初の問いに戻りましょう。「分析する」とはどういうことか。

分析をするとは、突き詰めて言えば「比較をする」ということです。

 

「分析」という言葉の意味は「ある物事を分解して、それらを成立している成分・要素・側面を明らかにすること」(Wikipedia「分析」)ですが、マーケティングをはじめ事業における分析という作業は、単に物事を分解するだけではなくそこから気づきを得て、改善につなげていくために行うものです。この「気づきを得て、改善につなげる」ために必要なのが「比較をする」ことです。

 

データを使った比較分析の3つの視点

Webマーケティングにおいて気づきを得やすい比較の3つの視点をご紹介します。 

f:id:minutes22:20180630171128p:plain

 

①時系列比較

時系列の比較とは「過去」のデータと比較を行うなど、時系列でどのような変化が起こっているのかを分析する視点です。

例えば先程のお試しのデータに前月のデータを追加してみると、

f:id:minutes22:20180630171149p:plain

いずれの数字も前月よりも上回っていることが分かります。

こうした変化を読み取ることができれば「今月から行った施策の効果が良かったのではないか」といったさらに深く分析するための仮説を得ることもできます。

 

時系列比較を行う時に特に見出すべき気づきは、「どのような規則性があるか」と「規則から外れているポイントは何か」の2つです。

 

規則性というのは、「毎年12月には寄付件数が伸びる」とか「土日と平日では平日のほうがアクセスが多い」、「自団体のFacebookページがよく見られているのは通勤時間帯だ」などのある程度決まって表れるデータの動きのことです。ウェブサイトにおける時系列の規則性のことを「トレンド」と呼びます。まずは自団体のウェブサイトにどのようなトレンドがあるのか把握しましょう。

 

例えば先程の事例で昨年のデータとも比較を行い、昨年も同様に9月より10月の方が良い数字となっていたとすれば、10月には何か季節的な要因がありそうだという仮説を立てることができます。

 

トレンドが把握できた後はトレンドから外れているポイントの確認です。例えば通常土日にはアクセスが減るのに、ある土日にはアクセスが伸びているということがあれば、そこには何か原因があるはずです。その原因を特定して、改善策につなげることができるのかを検討しましょう。

 

②細分化比較

細分化比較というのは文字通り細かく分けて比較を行うことですが、これはマーケティングの世界では非常に重要な考え方です。「セグメント(化)する」、「セグメンテーション」という言い方をすることもあります。

Webサイトのデータの細分化の例として「流入元で分解する」というものがあります。

例えば以下のようになります。

f:id:minutes22:20180630171207p:plain

・自然検索は流入数は多いがコンバージョン率が低い

・Facebookからの流入は数は少ないがコンバージョン率が高い

 

このような気づきを得ることができれば、コンバージョンを増やすためには「自然検索から流入したユーザのコンバージョン率を下げる施策」「Facebookからの流入を増やす施策」を検討するということが考えられそうです。

 

③他者比較

3つ目は他者比較です。自団体以外の他者、つまり競合団体やベンチマークしている組織との比較を行うということです。

時系列比較や細分化比較と違い、自団体だけのデータではないため欲しているデータをすべて取得することができる訳ではありませんが、他団体のデータであっても比較的取得できることが多いこともWebの特徴と言えます。 例えばFacebookやTwitterでは他団体のフォロワー数やいいね数、投稿数、投稿日時など多くの情報を調べることが可能です。

 

いかがでしたでしょうか。

このように他のデータと並べて比較するという視点を持つことでさまざまな気づきを得ることができます。データを使って分析を行い、改善策を検討できるようになりましょう。