NPOコンサルタント堤大介のブログ - 朝ぼらけタイガー

NPOなど公益組織のコンサルタント。ファンドレイジングやWebマーケティングなどNPO支援に関する記事の他、読んだ本のレビューなどを書きます。

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自分の寄付の使い途を自らの目で見にいった話

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こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。

先日私自身のウェディングドネーションの経験を元にPeer to Peerファンドレイジングについて記事を書きましたが、本日はその寄付がきっかけとなり体験できた素敵なできごとについてのお話です。

※Peer to Peerファンドレイジングについてはこちら↓

www.daisuketsutsumi.com

 

 自分の寄付の使い途を自らの目で見に行った話

このブログでは何度も書いていますが、私は今年3月の結婚に際してパートナーと一緒にウェディングドネーションという寄付キャンペーンを行いました。上記の記事にも詳しく書いていますが、結婚や誕生日など記念日等を使って自分が応援したいNPOへの寄付を募るキャンペーンをPeer to Peerファンドレイジングといいます。

私たちのウェディングドネーションはLGBT等の支援を行っている団体への寄付を募るというのがテーマで、NPO法人虹色ダイバーシティ認定NPO法人ReBitの2団体へ寄付を行いました。今回はこのうち、ReBitさんの現場を見学させていただくことができました。

 

パートナーが勤める学校でReBitさんのLGBT出張事業

ReBitさんは「LGBTもありのままでオトナになれる社会へ」をビジョンとしてLGBT等の若者の支援や啓発の活動を行っており、中心事業の一つとして教育現場での出張授業があります。

ReBitでは、LGBTのへの理解を深めていただく為、小中高大学/教育委員会/自治体などで生徒/教職員向けに、LGBTが講師を務めるLGBTの出張授業を実施しております。
また、企業に向けてLGBTの就労者による研修も行っております。

(ReBitさんHPより↓) 

rebitlgbt.org

今回ウェディングドネーションで寄付をさせていただくことをお話した際に、私のパートナーが教員であることを知った代表の藥師さんが、「いただいた寄付のペイ・フォワードな使い方として、よければパートナーが教員を務める学校へ出張授業をお届けしたい」というとても素敵な提案をしてくださいました。

その後、パートナーが自分の学校へ提案を行ったり、学校とReBitさんでもろもろ調整を行っていただき、実際に12月に出張授業が実現することになりました。そのお話を聞き、「ぜひ私も見に行きたい!」と伝えたところReBitさんと学校の双方から快いお返事をいただき、寄付の使い途を自分の目で見にいくという貴重な経験をさせてもらうことになりました。

 

出張授業当日の様子

当日の様子は学校現場でのことなのであまり詳細に書くのは控えますが、とても素敵な時間でした。

高校一年生を対象とした授業で、LGBTやセクシュアリティについての講義や、2名のReBit講師さんからの当事者としての自身のライフストーリーのお話、そして質疑応答というような内容だったのですが、さすがにプロ!高校生を引き込むのが上手です。

高校生からしたらいきなり外部の人がやってきて難しい話されても興味を持って聞くのってけっこう難しいと思うのですが、予想以上にみんな真剣に聞いていてびっくりしました。特にお二人の講師の当事者としてのライフストーリーの話は講師の顔を見ながら聴き入っていて、ReBitさんだからこそできる授業に感動しました。終了後のアンケートでも色々と反応が返ってきていたようです。

もう一つ当日印象的だったのは、教員の方々の反応。生徒だけではなく、教員にとっても人によっては馴染みのない話題だと思いますが、すごく熱心にきいておられ、終了後に「学校生活や行事生活の中で具体的にどのような点に配慮すれば良いか?」「具体的にできるアクションは何か?」「保護者向けや職員向けの研修はできないか」というような質問を講師の方たちとしており、出張授業の起こす前向きな変化を感じることができました。

 

寄付の使い途を見にいくのは難しい?

このような形で「自分の寄付の使い途を見にいく」という経験をさせていただいたのですが、今回の私の経験は色々な幸運や特殊事情が重なった機会だなと感じております。

  • パートナーが教員として勤める学校が現場であったこと
  • 私自身がNPOコンサルタントというNPOに関わる仕事をしていること
  • 寄付先団体の方たちと元から知り合いであり信頼関係があったこと

などなど。

NPOがすべての寄付者に寄付の使い途を直接見せる機会を用意できるか?というとなかなか現実的には難しい点も多くあります。例えば今回の現場である「学校」もそうですが、受益者への支援現場自体があまり一般に開かれていないことも少なくありません。これは一般に開くことが受益者自身に無用な刺激や悪影響を与えることも考えられるため、無闇に求めていくことも難しい問題ですし、国際協力などそもそも物理的に遠い場合もあります。

また、寄付金がすべて分かりやすく「現場」で使われる訳ではありません。NPOの活動・事業を継続し、受益者を効果的・効率的に支援していくためには組織を回していくお金も当然に必要です。この意味からもすべての寄付者に寄付の使い途を「現場」という意味で示していくのは難しいと言えます。

 

寄付者が寄付の使い途を知る方法

とはいえ、自分の寄付がどのように使われたのかは知りたいですよね。寄付をしたらその先は相手に任せて忘れてしまうのが良いという方もいらっしゃるようですが、個人的には「知りたい!」という方がもっともっともっともっと増えた方が良いと思っています。

では、寄付者が寄付の使い途を知るために、具体的にどんな方法があるでしょうか。

基本的には各団体が行っている情報発信・情報開示をウォッチするということが有効です。

 

年次活動(成果)報告書・収支報告書

まず基本となるのはNPOが一年に一度まとめ、公開する報告書です。この中には寄付金を始め団体の活動を支えるお金の収支についての報告や、寄付等の財源を元に行った事業がどのように展開したのか、どのような成果を出したのか、そして今後どのように事業を進めていくのかといったことが報告されています。この報告書をしっかりと確認するということが寄付者にとっても、NPOにとっても一番の基本となります。

そもそもNPO法人として法人格を取得している場合は、事業報告書の作成と公開は義務付けられていますので、HP等でしっかりと公開している団体を選んで寄付をすると良いでしょう。

ニュースレター・会報誌

団体によっては年に一度の報告書だけでなく、より細かな頻度で事業や活動の様子をまとめたニュースレターや会報誌等を作成し、会員等に送付している団体もあります。丁寧に寄付者コミュニケーションを行っている団体の場合、寄付者の募集ページでどのような頻度でどんな報告をしてくれるかを明らかにしていることが多いですので、寄付先を検討する際の参考になります。

HPやSNS

インターネットを活用し、会報誌等の紙のメディアよりもさらにライトな情報発信を行っている団体もとても多いです。HPの他、各種SNSをさまざまに活用している団体が多くいますので、寄付をした際には寄付先団体のSNSアカウントをフォローすることをおすすめします。特にSNSではなかなか見にいける機会が少ない現場での活動についてもリアルタイムに近い情報を確認することができます。

スタディツアーや現場見学

先に「現場を見にいくことは難しい」という話をしてしまいましたが、もちろん現場の公開が可能な団体についてはきちんと機会を用意していることも少なくありません。国際協力系団体のスタディツアーの他、国内の団体でも現場見学を用意していることもあります。現場見学が可能かどうかは事業の種別や受益者によっても変わりますので、興味のある方は寄付をする前に調べることをオススメします。

活動(成果)報告会

事業報告書をまとめるだけでなく、寄付者に向けて対面のイベントとして一年の活動の様子や寄付の使い途とその成果を直接報告する機会を設けている団体もあります。こうした機会では普段現場を支えている職員から直接話を聞くことができたり、自分以外の寄付者と出会う機会にもなります。

マンスリーサポーター(活動説明会)

力をいれて寄付を募っている団体の多くが新規のマンスリーサポーター募集のための活動説明会を定期的に開催しています。活動説明会の場では、団体のビジョンや活動内容の他、寄付の必要性などを直接詳しく聞いたり、質疑応答もできますので、自分のお金を託すべき団体を見極めるためにはとても良い場です。

ReBitさんの事例

例えばReBitさんのマンスリーサポーター募集ページでは以下のように報告方法が示されています。

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このような機会をしっかりと活用することで自分の寄付がどのように使われ、社会課題がどのように解決したのかを継続的に確認していくことができます。また、上記のような情報発信・報告を見て、寄付者である自分がどのように感じたのか、どのように関心を持ち続けているのかを寄付者目線で発信するということも間接的ではありますが、団体のちからとなり、私たちの寄付が社会課題解決につながっていくスピードを早めることにつながるのではないかと思います。

 

参考:ReBitさんのマンスリーサポーター募集ページ

rebitlgbt.org